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晴れ、ときどき飛行機雲

『パエトーン』

この期に及んで、昔読んだコミック『パエトーン』が再度読みたくなって探しました。

パエトーンというのは、ギリシャ神話で、太陽神アポロンの息子。
思い上がって父親の日輪馬車を扱おうとして持て余し、地上に災厄をもたらす(砂漠もそうしてできたとか)というお話。


この山岸涼子さん作のコミックの内容は、原発への警告になっています。
チェルノブイリの2年後?1988年に描かれたこの作品は今の事情と若干の差はあるものの、核が人の手にあまるものという厳然たる事実は変わりません。
原発というもの自体、それほど効率のいい発電方法ではないし、稼動する限り排出される大量の”死の灰”。
プルトニウムの半減期は2万4千年だそうなので、人類は未来永劫、この面倒を見続けなくてはいけないことになります。
安全策は凝らされているはずなのに、なんらかのトラブルはつきものです。

リスクの大きさに、絶望的になってしまいます。
それなのに、
当時の原発依存率を今ははるかに超えて、いつのまにか大都市を支えるには不可欠になっていて、
狭い国土に、世界3位の原発数。
何故だか、CO2を排出しないクリーンなエネルギーという幻想をすりこまれていた、この楽観主義。


そして、青森の六ヶ所村に建設されている、核燃料再生工場。
使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出す、その危険性は言うに及ばず
試運転中だそうですが、今回の震災でここでも一旦は電源が途絶え、プールの水が溢れたそうです。
当初の建設予算7600億円だったものが、相次ぐトラブルで完成は遅れに遅れ、2011年2月現在で2兆1930億円に膨れ上がっているとか。

膨大な利権を生み出すものだからこそ、ここまでの既成事実はできてしまったのでしょうがどこかで引き返すチャンスはいままであったはず。
そのタイミングを失い続けているような気がします。


希望的なことを書きたいのだけど、このことを考えるとちょっと・・・



明るい材料が欲しいですね。




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Commented by naomi at 2011-03-25 09:26 x
ダニエルキイスにもそんな本がありましたね、
なんだったっけ…、
日本では考えられない結末で衝撃的でした。

原発に頼らないと電力を供給できない現実、
今は日本の生活そのものを考え直さなければ
いけないのかもしれませんよね。。
Commented by contrailfine at 2011-03-25 16:15
ダニエル・キイス『タッチ』でしょうか。(しまったもう荷造りしちゃったこの本)待ち望んでいた子供が贖罪のようなかたちで生まれ得なかったのち、この夫婦はどのように生きていくのか、ずっと想像しています。
以前これにからめてプロメテウス、と書いてしまいましたが、パエトーンはそんななまやさしい話ではなかったのでした。


原発に頼らないといけない現実、という既成事実が利権によって作り出された構造のような気がして仕方がないのです。まだ引き返すチャンスがあると思いたいです。
by contrailfine | 2011-03-23 22:37 | 日々のあれこれ | Trackback | Comments(2)

京都生活も6年目。趣味で始めた染色は9年になりました。
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